前回まで3回にわたり「メンター制度説明会」のアンケートの結果から、ご参加された企業・団体の皆様がどのような目的でメンター制度導入、あるいは検討をしているのかをご紹介してまいりました。
メンター制度の導入が決定後は、メンター候補者を選定し、メンティーとのペアリングという流れになりますが、ただペアリングをしただけではメンタリングはうまくいきません。そこで考えなければならないのが、メンタリングの当事者であるメンター、メンティーに対する教育研修についてです。
メンター制度導入の目的は様々ですが、いずれであってもメンターとメンティーが信頼関係、すなわち仕事、プライベート問わず何でも自由に思ったこと、感じたことを話せる関係を構築することが不可欠です。信頼関係のないメンタリングは、お互いにとって有意義な場とならないばかりか、うわべだけの会話に終始し、メンター制度自体の形骸化につながることも少なくありません。
それゆえに、メンタリングのスタートに先立ち教育研修を通じて信頼関係を構築するためのコミュニケーション・スキルやスタンス(態度・姿勢)を当事者が学ぶ機会を設けることが必須です。メンター制度は初めが肝心です。いいスタートが切ることができれば、かなりの確率で実効性のある制度を円滑に運用することができるでしょう。
今回から数回にわたりメンター制度における教育研修で意識したいことについて考えていきたいと思います。
第一回目(前編)では、メンター、メンター候補者を対象とした研修で該当者に特に理解してもらいたいポイントをお伝えします。
【明るく話しやすい雰囲気づくりを意識する】
コミュニケーションを円滑に始めるためには、話しやすい雰囲気をつくることです。そのためにまずは、「笑顔、明るいあいさつ」からコミュニケーションを始めることがとても大切であることを、メンターにシッカリと理解してもらう必要があります。当たり前のことのようですが、どれだけできているでしょうか。メンティーと知り合うきっかけづくりの上でもぜひ意識してもらいたいものです。
【メンターは共に考え、悩む人であることを認識する】
メンタリングにおいて最も大切なのは、メンティーと何でも自由に気兼ねなく話せる関係、すなわち信頼関係の構築であり、そのために、メンターは「教え導く人」というよりも、「共に考え、悩む人」「気持ちを分かち合える人」、であることを理解する必要があります。
もちろん、教え導くという側面もありますが、あくまで相手に共感することの範疇で自らの経験などを指導ではなく参考として伝える、というスタンスになります。
【信頼関係=何でもはなせる関係を築くコミュニケーションのとり方を理解する】
さらに、信頼関係を築くためのコミュニケーションの取り方を身に付けることも重要です。そのポイントは以下の2点です。
① 相手の気持ちを理解するような聴き方
② 異なる意見でも受け入れる態度
ビジネスではコミュニケーションを「情報を正確に伝え、正確に受ける」ことに重きが置かれがちですが、メンタリングにおいては、信頼関係を深めるためにも、メンティーの気持ちを理解する姿勢のほうがより重要となります。
また、メンティーの話す内容が、時にはメンターにとって非常識に感じられたり、思慮が浅いように思えたりすることもあるでしょう。しかし、それをたしなめるのではなく、まずは受け入れる態度が大切です。そのような姿勢があってこそ、メンティーは安心して本音を語ることができ、気兼ねなく何でも自由に話せる有意義なメンタリングが成立します。
年明け~2月ごろにかけて、新年度からメンター制度をスタートするにあたりメンター、メンター候補者を対象とした研修を考え始める制度担当の方も多いのではないでしょうか。ご参考にしていただけましたら幸いです。
※メンター研修の内容につきましては、こちらもご参照ください
次回は、メンターとメンティーペアでのスタート研修をテーマに考えていきたいと思います。
日本メンター協会サイト内にメンター制度の導入事例をご紹介しておりますので、是非ご参照ください。
また、制度導入に際してのご相談やご質問は、日本メンター協会のご相談窓口までお気軽にお寄せください。
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