【メンター制度 取組事例-3 部門内導入編】

群馬県 輸送用機器関連 製造業 M社

 

 M社の一部門が声をあげて部門内制度として導入されたケースです。当該部門に配属される新卒新人に対して、早期に職場になじみ、より意欲をもって業務に取り組んでもらうために、業務上の相談だけでなく、私的な相談も受けるメンタリングを実施しています。メンタリングを通して、職場の良好なコミュニケーションを促進し、結果的に、社員同士の信頼関係の構築と、良好な職場風土の醸成を目指しています。


[概 要]

1.ねらい

・新入社員の育成(主にコミュニケーション能力の向上)

・組織内コミュニケーションの促進による良好な職場づくり

 

・新入社員の定着率向上

 

 

2.対 象

  ・メンティー 部門内の新入社員

  ・メンター  新入社員と部門は同じで、違う課の先輩社員(5年~7年先輩)

 

3.期 間

  1月~翌年12月(1年間)
    ※ 本配属が11月なので、その後にスタートします

4.研 修 

  ・メンター研修を12月に実施(弊協会のメンター養成セミナーを受講)

  ・メンティー研修を12月に実施(内製で制度担当者が実施)

    ※メンタリングの実感を持ってもらうことと制度の概要を説明します。

  ・1月にメンターメンティーのカップリングと合同でのスタート研修を実施

    (内製で制度担当者が実施)

  ・グループ・メンタリングを3か月に1度、メンタリングとは別途に実施

    (内製で制度担当者が実施)

    グループ・メンタリングとは、メンターとメンティーが数組合同で
     コミュニ
ケーションワークをする研修です。

 

5.活 動 

・月2回の必須のメンタリング(30分~1時間)のほか、
   メンティーの申入れにより随時実施

・3か月に1回グループメンタリングを実施

・半年に1回、グループメンタリング実施後に懇親会を実施

 

 

6.特 徴

 部門内制度として試行導入されていますが、事前研修だけでなく、しっかりと教育を施し、メンタリングスキル(コミュニケーション能力)の向上を図っています。

 また、メンター・メンティー全体での懇親会の実施のほか、部門全体のコミュニケーションの活性化につながるための部門イベント(ボーリング大会など)も実施し、部員の交流を図っています。このような制度内外のイベントを通して、コミュニケーションの活性化が実現されています。職場の風土として根付く手厚い取り組みといえます。

 メンタリングを通してのメンティーのコミュニケーション力と業務意欲の向上が主目的です。

 メンター・メンティーだけに運用を任せるのではなく、内容には立ち入らない範囲で、

報告シートを活用し、制度担当者が見守りやサポートをしています。そのことが当人たちの制度運用上の安心感や業務上の風通しの良さにもつながっています。

 結果的に、新入社員の定着に成果を上げています。

 

 

7.経 過

メンター制度をよりしっかりと全社的に実施するために、1部門が声をあげ、2015年1月より当該部門を対象に試行としてスタートしました。現在、2期目が3か月経過したとろです。

 特に、メンティーのコミュニケーション能力の向上に効果があると感じています。

メンターにとっても、メンティーとの関係が深まっていると実感している様子で、メンティーに対する育成意欲もさることながら、他の後輩に対する育成意欲の向上にもつながっています。

 今後も部門内新入社員に対する制度を継続することに加え、部門内の中堅社員に対するメンター制度も新たに計画していく予定です。


[教育担当者の言葉]

メンター制度を担当者として見守りサポートしていてうれしく思うことは、新人社員の中で、グループ・メンタリング実施時においてコミュニケーションに消極的だった社員が、必要な時には、私や担当者にはもちろん、メンターではない先輩社員にも相談していたり、他の課のずいぶん年の離れた先輩社員とも職場で活発に議論している様子が見えた時です。

 このようなことからも、メンター制度が職場の風土改善に確実に寄与していることを実感しています。

 

[メンター・メンティーの感想]

 <メンティー(3か月経過者)>

 新人は、最初のうちは同期同士のつながりしかないため、先輩方の輪に入っていくことが難しいですが、メンタリングを通じて、普段話をする機会がない先輩と話をすることで、他の先輩方とのコミュニケーションにもつながる良い機会だと思っています。

現在、私のメンターさんは、本当に良く接してくださり、食事にも誘ってくださるほど仲良くしていただいています。

 しかしながら、最近では二週間に一度のメンタリングは少し回数が多いようにも感じています。メンターさんも日々スケジュールが埋まっていてお忙しい中、時間をとっていただいていることも申し訳なく思うからです。

 今は、相談事があまりなく、プライベートな話やメンタリングそのものが楽しい会話の時間になっていますが、3月から正式配属された課での仕事量が増えてくると、業務上で苦労することも多いと思うので、その時にはメンターさんに色々相談してみたいと思っています。

 

 

 <メンター(12か月経過者)>

 自分でも経験したはずの“目的が分からない…”“誰に聞けばいいのか…”等、新人時代の感覚をメンティーとのコミュニケーションを通じて思い出し、当時の自分が求めていた不満の捌け口となることを目指して対応したことで、メンティーとの良好な関係を構築できました。今後の後輩との接し方の指針となる経験でした。

 話を聞くのは簡単ですが、聴くことの難しさをメンタリングを通じて理解出来ました。

自分の態度は相手の反応を通してしか知る術はなく、聴く態度を意識することで、メンティーが安心し、本音が言える環境ができ、何を考え何に悩んでいるのか、またどんなことに関心を持ち、どのようなアプローチをしているのか、知ることができるということを学びました。

 


ここでの事例の詳細は、日本メンター協会でお伝えすることができます。

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