◆【第94号】2025.10メンター制度を導入する目的について(中編)                ~メンター制度説明会アンケートより~

 

 前回に引き続き、当協会で毎月人事担当や制度担当の方々を対象として開催している「メンター制度説明会」の アンケートの結果から、企業、団体がどのような目的でメンター制度の導入、あるいは検討しているのかをご紹介 いたします。  

 

 メンター制度導入の目的上位8つのうち、「社員定着促進」「メンターの成長」「メンティーの成長」に続くのが、  

       

 「職場の活性化」 「メンタルヘルス対策」 です。  

 

 ここでポイントとなるのが「職場におけるコミュニケーション」です。というのも、社員の早期退職の問題も、  メンタルヘルスの問題も、職場における日常のコミュニケーションの不足による場合が多いからです。原因として あげられるのは以下の通りです。   

 

 ・インターネットの普及による対面コミュニケーション能力の低下

 ・リモートワークなどの急激な増加により、コミュニケーションの場そのものの不足

 ・多忙な職場、プライバシー保護やハラスメント問題などで、お互いが「よく知り合う」「気心が知れる」ような、       

  自由な会話ができない。

 

 また、ここでいうコミュニケーションには、2つの側面があります。

 

 ①文字情報の共有→ビジネス志向

 ②感情や気持ちを分かち合う→関係づくり志向

 

 近年様々な職場において課題となっているのは、②の関係づくり志向のコミュニケーションの不足です。

 

    特に新卒、中途(キャリア)採用といった新たに職場に加わるメンバーが、気軽な会話や、ちょっとした相談や、幅広い情報交換などの機会が取れず、働くモチベーションが低下して「会社に行くのがつまらないな」という気持ちになったり、鬱屈とした気持ちをため込んで心身に支障をきたしたりするケースも少なくありません。

 メンタリング、メンター制度は、そういったコミュニケーションの不足に起因する職場における課題の改善を目的として導入されているケースも多く見受けられます。

 

 メンター制度はメンタリング(=自由な対話)を通じて、関係づくりのコミュニケーションを継続して行い、何でも話せる関係(=信頼関係)を築く場です。 そこで育まれた「何でも気兼ねなく話せる雰囲気」や「よい人間関係」が周囲に波及していき、やがて職場や組織全体の風土として定着することが期待されているのではないでしょうか。

 

 次回は「採用対策」 「女性社員活躍推進」「技術・知識の伝承」について考えてみたいと思います。

 

 

 

 日本メンター協会サイト内にメンター制度の導入事例をご紹介しておりますので、是非ご参照ください。

また、制度導入に際してのご相談やご質問は、日本メンター協会のご相談窓口までお気軽にお寄せください。

 

【メンター制度無料説明会のご案内】

 メンター制度導入・運営のご担当、人事・教育ご担当の方々や、経営者・マネジメント層の方々を

対象としたメンター制度無料説明会を毎月開催しております。メンタリング・ワークの体験を通じて

メンタリングを体感的に理解することができます。是非ご参加ください!